タイブレークとは
タイブレークは、セットが6-6で並んだときに、そのセットの勝者を決めるための特別なゲームです。通常のゲームのように15・30・40とは数えず、0・1・2・3と数えていきます。先に7ポイントを取った側がタイブレークとセットを取り、セットのスコアは「7-6」と記録されます。
ここでも2ポイント差が必要です。6-6になったら、8-6や9-7のように差が2つ開くまで続きます。
この仕組みを考えたのは、アメリカのジミー・ヴァン・アレンです。長引く試合を短くする方法として、1970年の全米オープンで四大大会として初めて採用されました。当時の全米オープンは9ポイント制で、7ポイント先取の形が定着したのはその後のことです。
サーブの順番
タイブレークでは、サーブの順番が通常のゲームと違います。まず、本来サーブを打つ番の選手が1ポイント目だけを打ちます。続く2ポイントは相手が打ち、その後は2ポイントずつ交互にサーブします。
| ポイント | サーブする選手 |
|---|---|
| 1本目 | A(右サイドから) |
| 2・3本目 | B |
| 4・5本目 | A |
| 6・7本目 | B |
| 8本目以降 | 2本ずつ交互 |
1本目は右サイドから打ち、その後は1本ごとに左右を入れ替えます。この順番だと、自分のサーブのポイントだけを取り続けても勝ち切れません。相手のサーブで最低1ポイントは取る必要があり、ここがタイブレークの駆け引きの面白さです。
ダブルスでは、そのセットのサーブの順番をそのまま続けます。また、タイブレークで最初にサーブした側は、次のセットの第1ゲームではレシーブに回ります。
コートチェンジのタイミング
通常のゲームでは、第1ゲームのあとと、その後の奇数ゲームのあとにコートを入れ替えます。タイブレークでは、合計6ポイントごとにコートチェンジをします。風や日差しの有利不利を、両者でならすためです。
6ポイント目と7ポイント目は、同じ選手が続けてサーブする場面にあたります。そのため、1本打ったところでコートを替え、反対側からもう1本打つ流れになります。初めて見ると戸惑いますが、これがルールどおりの進み方です。
ITFのルールには、別の方式として「1ポイント目のあと、その後は4ポイントごと」にコートチェンジするやり方も認められています。大会によって違うことがあるので、出場する前に確かめておきましょう。
10ポイントのタイブレーク
10ポイント先取(2ポイント差)のタイブレークもあり、「スーパータイブレーク」と呼ばれることもあります。主な使い方は2つです。
ひとつは、セットカウントが並んだときに最終セットの代わりに行う「マッチタイブレーク」です。ATPツアーのダブルスでは、1セットオールになるとこの方式で勝敗を決めます。ITFのルールでは、始める前に120秒の休憩をとり、サーブの順番はそれまでの流れを引き継ぎます。
もうひとつは、最終セットを6-6まで戦ったときだけ行う「ファイナルセット・タイブレーク」です。こちらは最終セットそのものは省略せず、6-6で並んだ場合に10ポイントで決着をつけます。四大大会のシングルスで使われているのは、この形です。
四大大会の最終セットはばらばらだった
2010年代まで、四大大会は最終セットの扱いがそれぞれ違っていました。全米オープンは1970年から、最終セットでもタイブレークを行っていました。一方、全豪・全仏・ウィンブルドンのシングルスでは、最終セットは2ゲーム差がつくまで続けるのが基本でした。
その結果、とても長い試合も生まれました。2010年のウィンブルドン1回戦、ジョン・イズナーとニコラ・マユの試合は、最終セットが70-68までもつれました。試合は3日間にわたり、合計11時間5分に及びました。
2018年の同大会準決勝でも、ケビン・アンダーソンがイズナーに最終セット26-24で勝つ、6時間を超える試合がありました。こうした流れを受けて、2019年から各大会が独自にルールを見直します。
| 大会 | 2019〜2021年の最終セット |
|---|---|
| 全豪オープン | 6-6で10ポイントタイブレーク |
| 全仏オープン | タイブレークなし(2ゲーム差まで) |
| ウィンブルドン | 12-12で7ポイントタイブレーク |
| 全米オープン | 6-6で7ポイントタイブレーク |
2022年に10ポイントタイブレークへ統一
大会ごとにルールが違うと、選手にも観客にも分かりにくくなります。そこで四大大会でつくるグランドスラム・ボードは、2022年3月に最終セットのルールをそろえると発表しました。最終セットが6-6になったら、10ポイントタイブレークで決着をつける形です。
この方式は試験導入として、2022年の全仏オープンから4大会で使われ始めました。理由として挙げられたのは、四大大会のルールに一貫性を持たせることです。2026年10月時点でも、四大大会の最終セットはこの形で行われています。
まとめ
タイブレークは、6-6で並んだセットを7ポイント先取(2ポイント差)で決める仕組みです。サーブは1本目のあと2本ずつ交代し、6ポイントごとにコートチェンジします。10ポイントのタイブレークには、最終セットの代わりに行うものと、最終セットの6-6で行うものがあります。四大大会の最終セットは2022年に10ポイントタイブレークへそろい、観戦するときも決着の形が分かりやすくなりました。
