ダブルスのコートは「アレー」の分だけ広い
ダブルスでは、シングルスより左右に広いコートを使います。国際テニス連盟(ITF)のルールでは、コートの長さはどちらも23.77mです。幅はシングルスが8.23m、ダブルスが10.97mと決められています。
この差の分、両サイドに幅約1.37mの細長い帯ができます。これが「アレー」です。シングルスではアウトになる場所ですが、ダブルスのラリー中はインとして扱われます。
ただし、サーブを入れる範囲(サービスボックス)はシングルスと同じです。サーブがアレーに落ちればフォールトになるので、ここは混同しないようにしましょう。
サーブとレシーブの順番
サーブはセットの最初に順番を決める
ITFのルールでは、ダブルスのサーブ順は次のように決まります。
- 第1ゲームにサーブを打つペアが、どちらが打つかを決める
- 第2ゲームの前に、相手ペアも同じように決める
- 第3ゲームは第1ゲームのサーバーのパートナー、第4ゲームは第2ゲームのサーバーのパートナーが打つ
- この4人の順番を、セットが終わるまで続ける
順番を組み替えられるのは、新しいセットに入るときです。最終セットの代わりにマッチタイブレークを行う場合も、セットの始めと同じようにペア内の順番を変えてかまいません。
うっかり順番を間違えたときは、気づいた時点で本来の人に戻します。それまでのポイントは有効です。ゲームが終わってから気づいた場合は、入れ替わった順番のまま続けます。
レシーブの位置はセット中ずっと固定
レシーブ側も、セット最初のレシーブゲームで、どちらが1ポイント目を受けるかを決めます。サーブは毎ゲーム右側から始まるので、1ポイント目を受ける人が右側(デュースサイド)の担当です。パートナーは左側(アドバンテージサイド)を受け持ち、以降は交互に受けます。
この担当はセットの終わりまで変えられません。順番を間違えた場合は、そのゲームは入れ替わったまま続け、次のレシーブゲームから元に戻します。
なお、リターンを返したあとは、ペアのどちらが打ってもかまいません。一方で、1人だけで相手ペアと戦うことは認められていません。
基本の陣形1:雁行陣(がんこうじん)
雁行陣は、1人がネット近く、もう1人がベースライン付近に立つ陣形です。英語では「ワンアップ・ワンバック」と呼ばれます。雁(がん)が列をなして飛ぶ様子を表す「雁行」という言葉にちなんだ呼び名です。
- 後衛:ストロークでラリーを続け、チャンスを作る
- 前衛:ボールの行方に合わせて動き、甘い球をボレーで決める
前衛が横に動いて、後衛が打つはずのボールを途中で取ることを「ポーチ」といいます。雁行陣は、ストロークは得意でもネットプレーに自信がない人に向く形です。弱点は、前衛と後衛のあいだの斜めのすき間を狙われやすいことです。
基本の陣形2:並行陣(へいこうじん)
並行陣は、2人が横に並ぶ陣形です。日本では、2人そろってネットに詰める攻撃的な形を指すことが多く、英語の「ツーアップ」にあたります。ネットに詰めてボレーで攻める、というのがこの陣形の考え方です。
並行陣で効くのは、相手2人のあいだ(センター)を狙う低いボールです。どちらが取るか迷わせ、浮いた返球を決めにいきます。そのぶん、すばやい反応、ボレー、頭上を越すロブに備えるスマッシュの力が求められます。
2人ともベースラインに下がる守備的な並び方もあります。相手の攻撃が強いときに、粘ってミスを待つ形です。
応用の陣形:Iフォーメーション
Iフォーメーションは、サーブ側の前衛がセンターライン付近で低くかまえる陣形です。サーバーもセンター寄りから打つため、2人が縦の「I」の字に並びます。前衛はサーブと同時に左右どちらかへ動き、サーバーは反対側をカバーします。
動く方向は、ポイントの前に2人で決めておきます。相手は前衛がどちらへ動くか読めないため、リターンのコースを決めにくくなります。大事なポイントでの変化などとして使われます。
注意したいのは、サーブが前衛のすぐ近くを通ることです。前衛は低くかがみ、サーブが当たらないようにしましょう。前衛がサーバーと同じ側に立つ「オーストラリアン・フォーメーション」という似た形もあります。
草トーナメントやイベントで知っておきたいこと
アマチュアの大会や練習会では、試合時間を短くする方式がよく採用されます。代表的なのが「ノーアドバンテージ(ノーアド)」です。デュースになったら次の1ポイントで決着し、レシーブ側が右と左のどちらで受けるかを選びます。
このとき、レシーブ側の2人は立ち位置を入れ替えられません。ミックスダブルスでは、サーバーと同じ性別の人がレシーブします。ほかにも、2ゲーム差をつけて4ゲームを取れば勝ちの短いセット(4-4ではタイブレーク)や、最終セットの代わりに10ポイント先取のマッチタイブレークを使う大会があります。方式は大会ごとに違うので、要項を事前に確かめておくと安心です。
イベントでは、初対面の人とペアを組むこともあります。試合の前に「どちらがどちら側でレシーブするか」「最初に誰がサーブするか」「前衛はポーチに出るか」を話しておくだけで、動きがぐっとそろいます。
まとめ
ダブルスは、アレーの分だけ広いコートを使い、サーブとレシーブの順番をセットの最初に決めるのが基本です。陣形は、ラリーを組み立てやすい雁行陣から始め、慣れてきたら並行陣やIフォーメーションに挑戦すると幅が広がります。大会やイベントでは、ノーアドなどの独自方式とペアとの役割分担を事前に確認しておきましょう。
