世界ランキングは「直近52週」の成績で決まる
男子のATP(男子プロテニス協会)と女子のWTA(女子テニス協会)は、それぞれ世界ランキングを出しています。どちらも、大会で勝ち進むほど多くのポイントがもらえ、その合計で順位が決まる仕組みです。
ポイントは、獲得した週から52週間(約1年)有効です。期限が来ると自動で消え、新しい成績と入れ替わります。これを「52週ローリング」と呼び、ランキングは原則として毎週更新されます。
前年に優勝した大会の時期が来ると、そのポイントが消えます。同じ成績を残せなければ合計が減るため、「ポイントを守る(ディフェンドする)」という言い方をします。
数えるのは成績の良い18大会(2026年10月時点)
出場した大会のポイントを全部足すわけではありません。決められた大会と、成績の良い大会を合わせて18大会分を数えます。シングルスの内訳は次のとおりです。
| 項目 | ATP(男子) | WTA(女子) |
|---|---|---|
| 数える大会数 | 18 | 18 |
| 必ず入る大会 | 四大大会4、マスターズ1000の8大会 | 四大大会4、WTA 1000から7大会 |
| 残りの枠 | 成績上位の6大会 | 成績上位の7大会 |
| 年間最終戦 | 出場すれば19大会目として加算 | 出場すれば19大会目として加算 |
ATPは2025年まで19大会を数えていましたが、2026年から18大会に減りました。マスターズ1000のうちモンテカルロ大会は義務大会ではなく、「残りの枠」で数えます。
WTAの「WTA 1000から7大会」は、男女同時開催の大会から6、女子単独開催の大会から1という内訳です。なお、ダブルスはATPが18大会、WTAが12大会を数えます。
大会のグレードと優勝ポイント
ポイントは大会のグレード(格付け)と勝ち上がったラウンドで決まります。主な大会の優勝と準優勝のポイントは次のとおりです。
| グレード | 優勝 | 準優勝 |
|---|---|---|
| 四大大会 | 2000 | 1300 |
| マスターズ1000 / WTA 1000 | 1000 | 650 |
| ATP 500 / WTA 500 | 500 | ATP 330 / WTA 325 |
| ATP 250 / WTA 250 | 250 | ATP 165 / WTA 163 |
この下に、男子はチャレンジャー(優勝50〜175ポイント)、女子はWTA 125(優勝125ポイント)などの大会があります。四大大会の優勝が、1000クラスの大会の2倍にあたる点を覚えておくと、ランキングの動きが読みやすくなります。
年間最終戦のATPファイナルズとWTAファイナルズは、勝利ごとにポイントが加わる方式です。グループ戦の1勝ごとに200、準決勝の勝利で400、決勝の勝利で500が入り、全勝優勝なら最大1500ポイントになります。
義務大会と「ゼロポイント」
上位選手には、出場しなければならない大会があります。四大大会や義務とされる1000クラスの大会を、けがなどの正当な理由なく欠場すると、その大会は0ポイントとして計算に残ります。これを「ゼロポイント(ゼロポインター)」と呼びます。
さらに、500クラスの大会にも出場数の決まりがあります。2026年は、ATPの上位選手が4大会、WTAの上位選手が6大会です。WTAでは、出場が足りないと、足りない分が0ポイントとして計算に入ります。
WTAは2027年から、500大会の義務を4大会に減らすと発表しています(2026年10月時点)。制度は毎年のように見直されるので、最新の情報は各ツアーの公式発表で確かめましょう。
年間ランキングと「レース」
ランキングとは別に、そのシーズンの成績だけを数える「レース」があります。ATPは「Race To Turin」で、1月からの成績を数えます。WTAは「Race to the WTA Finals」で、同じようにシーズン中の成績を数えます。年間最終戦に出られる8人は、このレースで決まります。
出場枠は、原則としてレース上位7人です。残る1枠は、8〜20位にいるその年の四大大会優勝者が優先され、該当者がいなければ8位の選手が入ります。ATPはパリのマスターズ1000の終了時点、WTAは東京と広州の大会までの成績で締め切られます。
2026年はWTAファイナルズが11月8〜15日に米国インディアンウェルズで、ATPファイナルズが11月15〜22日にイタリアのトリノで開かれる予定です。シーズンを締めくくるこの大会の結果は、年間最終ランキングの行方にも大きく関わります。
まとめ
ATPとWTAのランキングは、直近52週の成績から、四大大会や1000クラスの大会を中心に18大会分のポイントを合計して決まります。年間最終戦に出場した選手は、その成績が19大会目として加わります。秋はファイナルズ出場をかけたレースが大詰めを迎える時期なので、ポイント表を片手に観戦するとより楽しめます。
